デイトレを始めるにあたって、初心者におすすめの株の本!となっているのが、グレッグ・カプラ氏の「デイトレード」です。
「デイトレード」はどういった内容なのか、概要や読んだ感想などを紹介します。
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デイトレード(本)の概要
「デイトレード」の本の内容は、マーケットのとらえ方、トレード中のメンタル、各トレードシーンでの対応方法などが書かれています。
もし、デイトレード初心者の人がデイトレードのテクニカル分析などの具体的なトレード手法を期待して購入すると、期待外れになります。
この本では、テクニカル分析ではなく、どちらかというとメンタルやマーケットの仕組みに的を絞って「どうして負けるのか、どうやったら勝てるのか」が書かれている本です。
「デイトレード」の本を購入して期待外れにならないために知っておくこと
「デイトレード」の本では、デイトレードは2~3ヶ月で簡単にできるようになるものではないと述べています。
マーケットを理解するには、絶え間ない努力が必要で、それでも数カ月~数年かかることもあり、熟練の域に達するには、痛み・苦悩・傷がとても大きく、深いと書かれています。
「デイトレード」の本を読んだからといって、すぐに「連戦連勝できるようになる」というわけではありません。本書を読んだうえで実践して体験することが重要になっています。
そして、実践して体験する時に必要な「絶え間ない努力」についての情報・ヒントが詰まっているので、それをこの本から学ぶことができます。
学ぶことができる「情報やヒント」
デイトレードの本で学べる「情報やヒント」の一つに、「株式を取引するのではなく、人を取引する」という教訓があります。
株取引をして間もないころは、どうしても数値だけで判断してしまいがちです。でも、実際はその数値を操っている人がいるので、その人の心理を読み取り、マーケットを知って賢い側に立つことで、勝つことができるようになると書かれています。
その他にもいろいろな「情報・ヒント」が詰まっています。その一部例をあげておきます。
- 真のプロは、小さい確実な利益を数千、数万と繰り返す。
- 初心者は一回で大幅な利益を得ようとする。
- 初心者が買いたいときはプロが売りたい時。
- 最悪の失敗は最高の成功の後に生じることが多い。
- あまりにも先に視点を置くことは必ずしも得策ではない。
- 誰が取引相手なのか自問することなく取引を行ってはならない。
- 10や12回の取引を行った上でトータルの収益がプラスであれば、その戦略には芽はある。
損切については超重要
「デイトレード」の本では、損切について繰り返しでてきます。そして、その重要性についても繰り返し述べられています。
トレードすれば、必ず損失が出ます。一生損失がでない人はいません。そのため、どれだけそれを受け入れて、損失をコントロールできるかが重要になってきます。
事前に損切りラインを決めてからとらないポジションは、ブレーキなしの車で坂道をはしるようなものと表現しています。
著者のグレッグ・カプラ氏は、損切り戦略を実行した結果、3%以上の損失を出すことはないとしています。
時間軸の変更について
「デイトレード」の本では、5分足、日足、週足などの時間軸の扱い方についても書かれています。
その中で、5分足で取引していた銘柄が含み損になったからといって、日足や週足に時間軸を変更して長期保有にしてはいけないと述べています。
理由は、損切り戦略を無視することになるので、結果的に破滅すると語り、こういう人は、トレードに向いていないとも言っています。
損失をどれだけ許容できるかによって、どの時間軸(超短期、短期、中期、長期)で取引すればよいかがわかるとも語っており、損失許容量から自分にあった投資スタイルを見つけることが必要になってきます。
トレード日記を推奨
「デイトレード」の本では、トレード日記をつけることを推奨しています。
トレード日記では、失敗したトレードをカテゴリーに分類し、自分が負けるパターンを分類していきます。例えば、「損切ができない」「急騰銘柄に飛び乗った」などです。
そして、カテゴリー分けした負けるパターンの多いものから、それを絶対にやらないように注意することで、負けるを減らすことができるとしています。
「デイトレード」の本の感想
「デイトレード」の本は、トレードマインドを学ぶにはとても参考になる本です。
個人的に重要だと思った部分は、「株価が上昇する理由は、単純に売りを買いが上回っている」という言葉です。
こんなの当たり前!と思ってしまいがちですが、自分が負けるのは「売りを上回る買いの多数側(賢い側)にいないため」ということです。この勝ち組の多数は、結局のところ「人」なので、この多数の人の心理を読み取ることが勝ちにつながります。
この本によって自分の負け組の投資スタイルを見直すことができました。
- 負け組に入っているのは何故か?勝ち組に入るにはどうしたらよいのか?
- 負け組はどこでエントリーしているのか?勝ち組はどこでエントリーしているのか?
- 負け組はどこで利確しているのか?勝ち組はどこで利確しているのか?
- どこで損切すればよかったか?それによってどれだけ損失を防げたか?
負け組になっている点で見直すことができた一つに、逆張りがあります。「逆張りは多数が売ってるときに買う」ということなので、負ける可能性は高くなることが分かりました。買うならトレンドが変わってからです。そうすれば、多数派になることができます。
また、負けた時や勝った時は「なぜ、ここで他の人は買ったのか・売ったのか」を振り返ることで、テクニカル分析にも意味がでてきました。
※振り返るために、トレード日記を付けるのがおすすめです。
損切について考えたこと
本書では、繰り返し繰り返し「損切り」について述べているので、とにかく「損切り」と思ってやみくもに損切りすると、損切り貧乏になります。
適切なタイミングでの損切りが必要です。その損切りで分かったことは、現物と信用では「損切り」の実行のしかたが違うという点です。
信用取引の場合は、「デイトレード」の本の通り、損切りは確実にすべきで、実行しないと破滅するのは事実です。私自身、ビットコインFXで一度強制ロスカットを体験しましたが、信用取引で損切りを設定しないのは命取りだと思いました。特に株の信用は追証があるので確実に死ねます。
一方で、現物取引の場合、特に配当・優待などで長期保有している場合は、ある程度の含み損は譲歩・放置でいいのかもしれません。上がるときもあれば、下がるときもあるのが株です。配当や優待があれば、気持ち的にも余裕が持てます。
本書の「時間軸の変更」でも言ってましたが、時間軸は変えないことが大切です。が、現物で配当目的で、日足、週足でエントリーした場合は、5分足を見て含み損があるからといって損切りしてしまうと本末転倒です。
自分の投資スタイルや、その銘柄を選んだ時間軸にあった適切な損切が必要になると思いました。
「デイトレード」の本のまとめ
以上、「デイトレード」の本の概要や感想を紹介しました。
テクニカル関連の書籍とは別に、デイトレードを目指す初心者だけでなく、中長期のトレードをする初心者にも役に立つ本だと思います。