インデックス投資で「イライラしない・諦めない」投資ができる

持っている株が、買った後に数千・数万円と下がるとメンタルが崩壊しそうになります。

仕事中も株価が気になったり、イライラしたり、「やっぱり、株やらなきゃよかった」と思ったり・・・。

多くの著名な本にも書かれている通り、株はトライ&エラーが長期間必要な投資方法です。

できれば、トライ&エラーを少なくして、イライラせずに心穏やかにお金を増やしたいですよね。

「やらなきゃよかった」を「やっときゃよかった」にしつつ、仕事をいつも通りに頑張れる投資方法があります。

それが、インデックス投資です。

インデックス投資って、ある指標にそって運用する投資方法でしょ?結局のところ、指標が下がれば下がるし意味ないじゃん。

と思った人は、ドルコスト平均法の正しい知識が必要です。

SNSなどで仮想通貨、株式、FXで一発大儲けしたという話が流れてくると「自分儲けたい!」と思ってしまいますが、聞くのと実際にやるのは違い「時すでに遅し」の場合もあります。

投資初心者であればあるほど、最初はインデックス投資でコツコツ安定的な資産運用をした方が、最終的にもメンタル的にもいいと思います。

儲けは大きくありませんが安全です。インデックス投資について紹介します。

目次

インデックス投資の仕組み

インデックス投資とは、ある指標(インデックス)に連動する投資方法で、運用は長期が基本スタンスです。パッシブ投資ともいわれます。

最初の質問の「指標が下がれば下がるし意味ないじゃん。」というのは、短期運用の場合には当てはまります。

たとえば、指数が高い時に1回しか購入していなければ、指数が下がれば元本が減ってしまいます。

指数が高い・低いに関係なく一定金額で購入する長期運用の場合は、指数が低いと購入口数が増え、高いと購入口数が減ります。

つまり、安い時にたくさん買い、高い時は少なくすることで購入単価を下げることができます。これが「ドルコスト平均法」と呼ばれる投資方法です。

「ドルコスト平均法」はサンプルを見たほうが分かりやすいです。

乱高下する相場の場合

以下が一定金額で購入した場合(ドルコスト平均法)と一定口数で購入した場合の比較表です。

一定金額購入と一定口数購入の例

基準価格(円)
(10,000口あたり)
一定金額購入一定口数購入 
金額(円)購入口数金額(円)購入口数
1月10,00010,00010,000<10,00010,000<
2月9,00010,00011,1119,00010,000
3月8,00010,00012,5008,00010,000<
4月10,00010,00010,00010,00010,000
5月12,00010,0008,33312,00010,000
6月12,50010,0008,00012,50010,000
7月11,00010,0009,09111,00010,000
8月9,00010,00011,1119,00010,000
9月11,00010,0009,09111,00010,000
10月12,00010,0008,33312,00010,000
11月11,00010,0009,09111,00010,000
12月12,00010,0008,33312,00010,000
合計120,000114,995127,500120,000
1,000口あたりの
購入単価
10,435.2410,625.00

一定金額で購入した方が一定口数で購入するよりも購入単価が安くなります。購入単価が安くなると売却時の利益が増えます。

上記の例で12月(10,000口あたり12,000円)に全部売却した場合

  • 一定金額購入の利益
    =(売却金額x口数)-購入費用
    =(12,000/10,000×11,408)-120,000
    =17,994円の利益
  • 一定口数購入の利益
    =(売却金額x口数)-購入費用
    =(12,000/10,000×12,000)-127,500
    =16,500円の利益

となります。

特に注目したいのが、一定金額購入の方が口数が少ないのに利益が高いという点です。これが、いわゆる購入単価がさがっているメリットになります。

上昇相場だった場合

もし、仮に相場が上げ続けた場合、一定金額購入と一定口数購入にどのような違いがでるのかチェックしてみましょう。

一定金額購入と一定口数購入の例

基準価格(円)
(10,000口あたり)
一定金額購入一定口数購入 
金額(円)購入口数金額(円)購入口数
1月10,00010,00010,000<10,00010,000<
2月11,00010,0009,09111,00010,000
3月12,00010,0008,33312,00010,000<
4月13,00010,0007,69213,00010,000
5月14,00010,0007,14314,00010,000
6月15,00010,0006,66715,00010,000
7月16,00010,0006,25016,00010,000
8月17,00010,0005,88217,00010,000
9月18,00010,0005,55618,00010,000
10月19,00010,0005,26319,00010,000
11月20,00010,0005,00020,00010,000
12月21,00010,0004,76221,00010,000
合計120,000114,995127,500120,000
10,000口あたりの
購入単価
14,698.8515,500.00

この場合も一定金額で購入した方が一定口数で購入するよりも購入単価が安くなります。

ポイントは、一定金額購入の方が安い時に多く買える点です。ただし、一定口数購入の方が購入口数が増えます。

上記の例で12月(10,000口あたり21,000円)に全部売却した場合

  • 一定金額購入の利益
    =(売却金額x口数)-購入費用
    =(21,000/10,000×81,639)-120,000
    =51,442円の利益
  • 一定口数購入の利益
    =(売却金額x口数)-購入費用
    =(21,000/10,000×12,000)-186,000
    =66,000円の利益

どちらも利益がでますが、上昇のみの相場なので、当然安い価格で多く購入していた「一定口数購入」の方が利益が高くなります。

ただし、一定口数購入だと購入費用も増加します。一定金額購入が120,000円なのに対して、一定口数購入の購入費用は約1.55倍の186,000円になります。

ここで、どちらの方が効率よく収益をあげることができたのかを測る指標のひとつ「投資利益率(ROI:Return On Investment)」をみてみましょう。

ROIは計算式「利益/投資額」で算出できます。計算すると

  • 一定金額購入のROI=171,442/120,000=約1.43倍
  • 一定口数購入のROI=252,000/186,000=約1.35倍

のようになり、スポット数購入の方が効率よく収益を上げることができるのが分かります。

下落相場だった場合

今度は逆で、もし仮に相場が下げ続けた場合、一定金額購入と一定口数購入にどのような違いがでるのかチェックしてみます。

一定金額購入と一定口数購入の例

基準価格(円)
(10,000口あたり)
一定金額購入一定口数購入 
金額(円)購入口数金額(円)購入口数
1月10,00010,00010,000<10,00010,000<
2月9,50010,00010,5269,50010,000
3月9,00010,00011,1119,00010,000<
4月8,50010,00011,7658,50010,000
5月8,00010,00012,5008,00010,000
6月7,50010,00013,3337,50010,000
7月7,00010,00014,2867,00010,000
8月6,50010,00015,3856,50010,000
9月6,00010,00016,6676,00010,000
10月5,50010,00018,1825,50010,000
11月5,00010,00020,0005,00010,000
12月4,50010,00022,2224,50010,000
合計120,000175,97787,000120,000
10,000口あたりの
購入単価
6,819.077,250.00

下げ続ける相場の場合は、どちらも損失がでます。

一定金額購入の方が購入単価は下がりますが、損失は大きくなります。

上記の例で12月(10,000口あたり4,500円)に全部売却した場合

  • 一定金額購入の利益
    =(売却金額x口数)-購入費用
    =(4,500/10,000×175,977)-120,000
    =-40,810円の損失
  • 一定口数購入の利益
    =(売却金額x口数)-購入費用
    =(4,500/10,000×120,000)-87,000
    =-33,000円の損失

一定金額購入では、口数を増やすことはできますが、口数を増やしたことによるメリットを得るには相場が上昇に転じてくれるのを待つしかありません。

下げ続ける相場はないのでいつかは上がりますが「一定金額購入」でも、このようなデメリットがあることは知っておく必要があります。

上昇相場だった場合のスポット購入

もし、仮に相場が上げ続けた場合、一定金額購入とスポット購入ではどのような違いがでるのかチェックしてみます。

一定金額購入とスポット購入の例

基準価格(円)
(10,000口あたり)
一定金額購入スポット数購入 
金額(円)購入口数金額(円)購入口数
1月10,00010,00010,000<60,00060,000<
2月11,00010,0009,09100
3月12,00010,0008,33300<
4月13,00010,0007,69200
5月14,00010,0007,14300
6月15,00010,0006,66700
7月16,00010,0006,25096,00060,000
8月17,00010,0005,88200
9月18,00010,0005,55600
10月19,00010,0005,26300
11月20,00010,0005,00000
12月21,00010,0004,76200
合計120,000114,995156,000120,000
10,000口あたりの
購入単価
14,698.8513,000.00

この場合は、一定金額で購入した場合よりも、スポット購入した方が購入単価が安くなります。

ポイントは、安い時に多く購入できる点です。

上記の例で12月(10,000口あたり21,000円)に全部売却した場合

  • 一定金額購入の利益
    =(売却金額x口数)-購入費用
    =(21,000/10,000×114,995)-120,000
    =51,442円の利益
  • スポット購入の利益
    =(売却金額x口数)-購入費用
    =(21,000/10,000×120,000)-156,000
    =96,000円の利益

どちらも利益がでますが、上昇のみの相場なので、安い価格で多く購入していた「スポット購入」の方が利益が高くなります。

上昇相場においては、スポット購入の方が効率よく収益を上げることができるのが分かります。

下落相場だった場合のスポット購入

今度は逆で、もし仮に相場が下げ続けた場合、一定金額購入とスポット購入にどのような違いがでるのかチェックしてみます。

一定金額購入とスポット購入の例

基準価格(円)
(10,000口あたり)
一定金額購入スポット購入 
金額(円)購入口数金額(円)購入口数
1月10,00010,00010,000<60,00060,000<
2月9,50010,00010,52600
3月9,00010,00011,11100<
4月8,50010,00011,76500
5月8,00010,00012,50000
6月7,50010,00013,33300
7月7,00010,00014,28642,00060,000
8月6,50010,00015,38500
9月6,00010,00016,66700
10月5,50010,00018,18200
11月5,00010,00020,00000
12月4,50010,00022,22200
合計120,000175,977102,000120,000
10,000口あたりの
購入単価
6,819.078,500.00

この場合は、一定金額購入の方が、スポット購入に比べて購入単価が下がります。

上記の例で12月(10,000口あたり4,500円)に全部売却した場合

  • 一定金額購入の利益
    =(売却金額x口数)-購入費用
    =(4,500/10,000×175,977)-120,000
    =-40,810円の損失
  • 一定口数購入の利益
    =(売却金額x口数)-購入費用
    =(4,500/10,000×120,000)-102,000
    =-48,000円の損失

損失に関してもスポット購入よりも一定金額購入の方が低く抑えることができています。

【まとめ】インデックス投資

相場は上げ続けることも下げ続けることもありません。

一定金額で購入する手法(ドルコスト平均法)の方が、一定口数で購入する方法よりも優れていると言われています。

ドルコスト平均法は、安い時にたくさん買うことで、単価を下げることが目的です。

ずっと上がり続けている場合は、スポットで安い時にたくさん買った方が利益がでます。例えば、超長期的に見ればS&P500はずっと上昇しています。

ただし、スポットで購入する場合は、購入時点でその資金が必要になるので、通常の場合は定期的に一定金額で購入する方法を選ぶことになります。

インデックスであれば、一時の下落でを気にしなくてよくなり、イライラも減ります。

利益が一気に上がるわけではありませんが、長く運用することでリスクを減らすことができます。

株で失敗することが多いのであれば、こういう例もあるので、インデックス投資はおすすめです。

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