先物の指標、オープンインタレストで投資家の動きが推測できる

オープンインタレスト(Open Interest)とは、「未決済建玉」のことです。

未決済建玉とは、ロングやショートのポジション(建玉)を売却せずに保有している量のことです。
※建玉とポジションは同じ意味です。

先物市場では、未決済の売りと買いの建玉数はいつも等しく、この売りと買いの建玉の合計をオープンインタレスト(未決済建玉)といいます。

この建玉の数は、建玉保有者が建玉を決済すると減少します。

オープンインタレストの例

  • 投資家Aがビットコイン先物を10購入すると、オープンインタレストは10です。
  • 投資家Bがビットコイン先物を50購入すると、オープンインタレストは合計で60です。
  • 投資家Aがビットコイン先物を10決済すると、オープンインタレストは合計で50です。
  • 投資家Cがビットコイン先物を50購入して、投資家Bが50決済するとオープンインタレストは合計で50です。

最初の3つのオープンインタレストの変動はわかると思うのですが、4つ目の投資家Cの動きが分かりにくいので、詳しく見てみましょう。

投資家Cは、ビットコイン先物を新しく50購入したので、オープンインタレストは一時的に100になります。しかし、投資家Bがすでに持っているビットコイン先物を50決済したので、その分が減り、合計で50になっています。

ちなみに、オープンインタレストで分かるのは未決済の建玉の量(数)だけで、ロングが増えたのか、ショートが増えたのかはわかりません。

しかし、別の指標を加えることでどちらに動くかをある程度推測することができます。

オープンインタレストは価格と一緒に見る

オープンインタレストは、価格と一緒に見ることでトレーダーの動きを推測できます。

  • オープンインタレストが増加しており、上昇トレンドで価格が上昇している場合、新しいお金が市場に入ってきている。
  • オープンインタレストは減少しているが、上昇トレンドで価格が上昇している場合、ショートセラーがポジションをカバーしておりお金は市場から出ている。
  • オープンインタレストは増加しているが、下落トレンドで価格が上昇している場合、ショートに新たな資金が投入されている。
  • オープンインタレストが減少しており、下落トレンドで価格も下落している場合、ポジション保有者が解消を余儀なくされている。
  • 高いオープンインタレストがあるのに、急激に価格が下落している場合は、トップ近くで購入した人が、パニック売りしている。

上記を表にまとめると下記のような感じになります。

オープン
インタレスト
価格 トレーダーの動き トレンド
増加 上昇 新しい資金が流入している 強気
減少 上昇 ショートカバー(空売りの買戻し)
市場から資金が流出している。
弱気の兆候
増加 下落 ショートに資金が流入している 弱気
減少 下落 ポジション解消を余儀なくされている
セリクラが近い(セリング・クライマックス)
弱気
高い 下落 天井で買った人が売り
パニック売りを呼んでいる
弱気

ブライト・アセット株式会社のCFTC投機ポジションというレポートによると「レバレッジ・マネーの買い・売りの差のネットの数字が市場動向と相関が高いようです」と発表しています。

あくまで参考ですが、オープンインタレストは見ていて損はない指標と言えます。

オープンインタレストから推測できる投資家の動き

オープンインタレストを見ることで何がわかるかというと、お金の動きが分かります。

オープンインタレストが増えれば、市場にお金が集まっており、逆に減れば、お金が出ていっていることになります。

また、お金をトレンドとみなすこともでき、市場にお金が集まっていれば強気トレンド、逆にお金が出て行っていれば弱気トレンドと言えます。

そして、米商品先物取引委員会(CFTC)のCommitments of Traders(COT)では、このオープンインタレストが集計されているデータを公開しており、ビットコイン先物のオープンインタレストも確認できます。

ただし、集計は1週間に1回で、火曜日の時点のデータ集計が金か土曜あたりに公開されます。

参考:investpedia

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