ミネルヴィニの成長株投資法は、タイトルにある通り「成長株投資(グロース株)」について、「どのようにグロース株を選んで利益を得るのか」という方法が整理して書かれています。
上記のような疑問に対する解答を得られる本だと思います。
「デイトレード」はマインドよりの本でしたが、「ミネルヴィニの成長株投資法」は銘柄選びについて詳しく書かれている本です。
以下から「ミネルヴィニの成長株投資法」の概要について紹介します。
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ミネルヴィニの成長株投資法の概要
ミネルヴィニの成長株投資法は、「ミネルヴィニ自身が体験した株の成功について」が1~2章にわたって書かれています。この2章までは読み飛ばしてもいい内容ですが、「ミネルヴィニがどういう人で、どうやって成功したのか」を知りたい場合は読んでおくといいです。
手っ取り早く、銘柄の選定方法などを知りたい場合は「3章」からになります。
ミネルヴィニの成長株投資法は「第3章」からが重要!
各章についての内容をざっくり紹介しておきます。
3章から本題の「成長株の特徴や銘柄選定方法」について書かれています。「SEPA戦略」での買い場分析方法が書かれており、ここを読むと銘柄選択のヒントがかなり得られます。
4章、5章は、「初心者」にとっては、重要なことが書かれています。特にPERについての思い込みや、株のトレンドや株のライフサイクルについて書かれているので、「どこでどのようにトレードするか」が分かります。
6章は、ミネルヴィニはどういうカテゴリーに投資したか、または投資するときに確認すべきところなどがまとめられています。ちなみに、ここでいうカテゴリーは、製造・非鉄といったカテゴリーではなく、先導株や機関投資家好みといった株の持つ特徴のカテゴリーのことです。
7章は、ファンダメンタルズについて書かれています。つまり、注目すべき、企業の売上高、利益といった業績でチェックところや、どういう銘柄をチェックすべきかが書かれています。
8章は、7章の企業の財務状況をさらに掘り下げた章で、利益についてさらに細かいチェックポイントが書かれています。例えば、下方修正や上方修正の内容についての確認や、在庫の評価といったことなどです。
9章は、ミネルヴィニが特に利益を得ることができた、先導株について書かれています。先導株の動きやパターンなどがミネルヴィニの体験を元に書かれています。
10章は、ミネルヴィニが注目するテクニカルチャートパターンと、どうしてそのチャートパターンになるのかを説明しています。
11章は、ミネルヴィニが実際に購入して成功した銘柄と選定方法の紹介になっています。
12章は、損切についての基本的な知識について。
13章は、損切についての具体的な方法について書かれています。
簡単に全章の内容について紹介しましたが、個人的にここだけは読んだ方がよいのが「3章、7章、9章、10章、13章」です。
ミネルヴィニの成長株投資法を読んで変わったこと
ミネルヴィニの成長株投資法を読んで変わったことは、いろいろあるのですが主に4つあります。
- 機関投資家を意識する
- チャート形状を意識する
- ファンダメンタルもある程度確認する
- どこで損切するか
機関投資家を意識する
機関投資家を意識するようになりました。結局、爆上げ、爆下げは機関投資家が入っている可能性が高いということです。
出来高が増える・減るというのは、「機関投資家がきた・いなくなった」=「何かしらの原因で買いはじめた・もしくは魅力がなくなった」のかもしれないという考えを持てるようになりました。彼らを意識しないといけない理由は、個人の買いや売りだけではそれほど値動きがないからです。
基本的に機関投資家には勝てません。例えば、好決算で爆下げしていれば、「好決算だし売られすぎなので、そのうち上がると思うので買う」といった1個人の判断で買うようなことをしなくなりました。好決算でも機関が売ってたら1個人では勝てません。
反転の兆しが見えるまでは様子見するか近寄らないようになりました。
チャート形状を意識する
上がりやすいチャートを意識するようになりました。
もともとチャートで銘柄を選んでいましたが、上がりやすいチャートというのがどういう状態なのかが本書では書かれています。どのくらいの期間を経て上昇していくのか書かれているので、チャートで銘柄選定する時の参考になります。
チャートの形状でよく見かけるパターンに、「カップ・ウィズ・ハンドル」がありました。実際にミネルヴィニもこのタイプのチャートで収益を上げることができたと語っています。
ファンダメンタルもある程度確認する
個人的に、売上などのファンダメンタルはあまり得意ではないのですが、直近の売上や経常利益については、増加傾向にあるのか、前年比で増えているかは確認するようになりました。
とはいえ、あくまで簡易的に調べて分かる範囲のみです。公式サイトにいって財務諸表を詳しく分析するといったところまではやっていません。
どこで損切するか
「損切」については、どんな本でも書かれていますが、ミネルヴィニのこの本は分かりやすく書かれています。
早い段階で損切した場合とそうでない場合では、早く損切した方が利益が高くなることが分かっています。
実際に一昔前の自分のトレードで確認してみても、5%で損切していれば、収益がプラスになることが分かっていました。
それでも損切できないのは意識の問題なのですが「損切した瞬間から上がっていくことは数知れず」と書かれていて、ミネルヴィニも同じ経験をしていて、やはり損切した方が有利なのだと気づかされました。
「損切した瞬間から上がっていってしまった」ということは問題ではなく、損切を習慣化することで、いざというときの大損失を防ぐことが重要だと書かれていました。
また、5%・10%という損切ラインは必要なのですが、自分の利益率が〇〇%なので、それに合わせて損切ラインを決めることが大切。例えば、利益率が2%なのに5%で損切していたら、どんなに損切しても利益は出ません。
もし、2%の利益率なら半分の1%で損切する、もし10%の利益率なら半分の5%を損切ラインにしないと利益がでないと書かれており、利益を守るための損切なので、利益がなくなる前に損切しないと意味がないといっていました。
そもそも10%も損切をしないといけない時点で、エントリーがおかしいとも書かれています。
どうしても切れずに、どんどん含み損が増えて、もっとはやく切っておけばよかったと思うことがよくあったので参考になりました。
現物の配当・優待狙いは、結構な含み損(20%とかありました)でも許容できますが、配当なし・優待なしの銘柄は、現物でも損切すべきだと感じました。
ミネルヴィニの成長株投資法の感想まとめ
「ミネルヴィニの成長株投資法」は、株初心者でも分かりやすい本だと思います。もし、実際にトレードをしていて「この場合はどうすればいいのだろう」と疑問を持ち始めた脱初心者トレーダーにとっては、とても参考になる本だと思います。
自分の場合は、テクニカル分析で、どういうタイミングで購入すればよいかは、なんとなく分かりはじめていたのですが、「トレードする銘柄をどう選べば効率よく利益をあげられるか」という部分がよくわからず悩んでいました。
「停滞している株を省きつつ、できるだけ短期間に利益を何倍にもあげる銘柄を見つけるにはどうすればよいか?」という部分で、とても参考になりました。個人的におすすめ度高めの株の本です。