米CPI(米国消費者物価指数)とドル円の相場の関係について。
米CPIが下がると「ドル円」相場はどうなるのか、逆に上がるとどうなるのかを紹介します。
※あくまで一般論です。状況により変わります。
米CPIとは
米CPI(米国消費者物価指数)とは、アメリカ合衆国における消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定するための指標です。
インフレ率の測定や生活費の変化を把握するために使用されます。
米CPIが上昇するとどうなる?
米CPIが上昇すると、一般的に商品やサービスの価格が全体的に上昇しており、インフ傾向にあることを意味します。
消費者の購買力が低下し、同じ金額で以前より少ない商品やサービスしか購入できなくなります。
中央銀行はインフレを抑制するために金利を引き上げる可能性があり、これは「借入コストの増加」や「経済成長の鈍化」を引き起こす可能性があります。
金利が上がると、リスクの高い株式から、低リスクの債券や預金などの固定収益投資が魅力的になるため、株価は下落します。また、企業の借入コストが増加するため、企業の利益が減り、その結果株価が下落する可能性があります。
米CPIが下落するとどうなる?
米CPIが下落すると、一般的に商品やサービスの価格が全体的に下がり、デフレ傾向にあることを意味します。
消費者の購買力が上昇し、同じ金額で以前より多くの商品やサービスが購入できるようになります。
中央銀行は経済を刺激するために金利を引き下げる可能性があり、これは「借入コストが減少」し「経済成長を促す」可能性があります。
金利が下がると、債券や預金などの投資への魅力が減るため、投資家は株に投資するようになり、株価が上昇します。また、企業の借入コストが減少するため、企業の利益が増え、その結果株価が上昇する可能性があります。
米CPIとドル円の関係
上記をふまえて、米CPIとドル円の関係について紹介します。
米CPIが上昇するとドル円はどうなる?
米CPIが上昇すると、インフレが高まっていると見なされることが多く、FRB(米連邦準備制度)が金利を引き上げる可能性が高まります。
金利が上昇すると、ドル建て資産の収益性が高まり、外国投資家からのドル需要が増加する可能性があり、結果として、ドルが強化されドル円相場ではドルが円に対して上昇する可能性があります。
また、インフレが高まると市場のリスクセンチメントが変化し、安全資産(ドル建ての債券や預金)へ資金を移動する傾向が強まり、これにより、ドルが円に対して強くなる可能性があります。
つまり、ドル高円安になります(1ドル100円だったのが1ドル150円になるというイメージ)。
米CPIが下落するとドル円はどうなる?
米CPIが下落すると、インフレ圧力が減少している(デフレ傾向にある)と見なされることが多く、FRBが金利を引き下げる可能性が高まり、ドルの収益性が低下する可能性があります。
その結果、ドルの価値が下がり、ドル円相場では円がドルに対して強くなる可能性があります。
つまり、ドル安円高になります(1ドル150円だったのが1ドル100円になるというイメージ)。
米CPI発表後のドル円相場
米CPI発表後のドル円相場をまとめたものです。
発表日(日本時間) | 米CPI見通し | 米CPI発表 | 発表後のドル円相場 |
---|---|---|---|
2024年1月11日(木)22:30 | 3.2% | 3.4% | ドル高&円安 |
2024年1月11日発表の米CPIは、予想を0.2%上回る上昇で「ドル高円安」に。金利を下げるという期待も後退しています。
まとめ:CPIが下がるとドル円相場はどうなる?
以上、CPIが下がるとドル円相場がどうなるのかについて紹介しました。
米CPIとドル円相場の関係は、一般的には次のとおり。
米CPIの変化 | ドル円相場 |
---|---|
米CPIが上昇する | 「ドル高&円安」になる |
米CPIが下落する | 「ドル安&円高」になる |